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【摂南大学】連載2-1/副専攻課程で実践するアクティブラーニング

更新日:2020年4月28日


前回までの連載「学生の学びスイッチをONにする初年次教育改革」では、摂南大学が初年次教育改革に取り組んだ背景や、大学の変化の兆しなど、改革の全体像について副学長・荻田喜代一先生に語っていただきました。今回は、初年次教育を変える大きなきっかけになった「ソーシャル・イノベーション副専攻課程」の立ち上げについて、担当教官の経営学部 教授 鶴坂 貴恵先生にお話を伺います。


はじまりは、和歌山の過疎地を舞台とするCOC+への採択

──COC+(文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業)に採択され、「ソーシャル・イノベーション副専攻課程」が設置されるまでの経緯について聞かせていただいてもいいでしょうか。


鶴坂先生 私が摂南大学に着任したのは2014年の春。その翌年、2015年1月に事務方トップの学長室長に呼ばれ、「あなた役所の出身でしょう。COC+の申請業務をやってもらえませんか」と言われたんです。



──着任から1年も経っていないのに、申請チームの中核を担ってほしいとのご指名があった、ということですね。


鶴坂先生 実は前任校でもCOCの申請チームに入っていたんです。摂南大学には公募で入ったのですが、おそらく何かの際に私がポロッとそのことを言ったんでしょうね。「鶴坂先生は元公務員だし、COCの申請の経験もあるし、役に立つと思う」と、進言した人がいたのかどうかは定かではありませんが…私も組織人です。偉い人から言われたら「はい、わかりました」と言うしかありませんでした(笑)。


ただし、この大学の教務のことがわからないので、教務のことがわかる人をメンバーに入れて欲しいと言いました。「フワフワとしたチームでなく、ちゃんとしたプロジェクトチームをつくってください」と頼んだんです。「教務の人で入って欲しい人はいますか」と聞かれたので、江島修一さんの名前を出しました。実は前任校で、ラーニングバリューの方に「摂南大学には学生のためにエネルギッシュに頑張っている古屋さん・江島さんという人がいる」という話を聞いたことがあったんです。「そんな若い職員さんが居てていいなぁ、私もそういう人と一緒に働きたいなぁと思っていた」と学長室長に言うと、「外部でもそんなに評価されているのは良いことだ」と、江島さんをメンバーに加えてくれることになったんです。さらに3月の人事異動で、教務課から地域連携センター(当時)に異動してきた古屋豊吾さんもメンバーに参加してくれることになりまして。きっと私が引き寄せていたんでしょうね(笑)。そして、教務部長に荻田先生が就任され、正式にCOC+申請のプロジェクトチームが発足したんです。



──結果的に、2015年度の選定で、和歌山大学が主管のCOC+で、大阪市立大学、大阪府立大学とともに、摂南大学も参加校として採択されました。


鶴坂先生 地域課題に向き合い、地域創生に貢献することをねらいとするCOC+では、都会の大学はコアにはなれないため、和歌山大学のチームに入れてもらったんです。ですが、申請前に大変なハードルをたくさん突きつけられて・・・。みんなで「無理難題をクリアしないと合格がもらえないなんて、かぐや姫みたいだなぁ」と話しましたよ(苦笑)。なので、事情を話せば、今日こそ学長も諦めてくれるだろう、と報告に行くんですが、当時の学長は「絶対に諦めない」の一点張りで。


──なぜ学長は、そこまで強硬にこのCOC+の参加校になることにこだわったんでしょう?


鶴坂先生 学生がフィールドに行くことの重要性や、地域での活動というものにこだわりがあったんだと思います。例えば・・・1年生のコア科目として最初は、前期に「北河内を知る」(地元の課題を考える科目)、後期に「地域と私」(和歌山県由良町のフィールドワーク科目)という案を考えていたのですが、学長が「あかん。入学してすぐに由良に連れていけ」と言うわけです。「都会育ちの学生へのショック療法で、大阪からちょっと離れたところにこんな過疎地があるんだぞ、と経験で学ばせろ」ということなんですね。学長はグローバルな視点を持ちながら地域で活躍するとか、グローバルで得た知見を地域で活かすといった「グローカル」にこだわっていた方なので、そういう気持ちが強かったんだと思います。その学長の熱意があったから、最終的にはみんなで腹をくくって取り組むことになったんです。



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