チームビルディングプログラムにおいて、個々のコンテンツ以上に重要で、かつファシリテーターにとって最も難易度が高いのが、この「ふりかえり」と「分かちあい」である。
「ふりかえり」では、今起こったことに焦点を当てて、自分自身の気持ちや感情、他者との関わりなどを振り返っていく。所謂「リフレクション」が学びのコンテントに焦点を当てるのに対して、「ふりかえり」では学びのプロセスに焦点を当てていくのである。
さらに「分かちあい」では、個々人の「ふりかえり」を共有することで、自他の間に起こったことの意味や解釈の違いなどに気づいていく。それは自他のものの見方や価値観の違いなどへの関心を高め、自己理解・他者理解を促進していく。
一般的にこの「ふりかえり」と「分かちあい」は、参加者にとって自分自身の本音を明かすことになり、気恥ずかしさやリスクを感じるものである。そのため、この「ふりかえり」と「分かちあい」の意味、意義を参加者に伝えるのは、ファシリテーターにとって最も難易度の高いことである。それができるようになるためには、ファシリテーターはある程度の場数を踏む、すなわち体得することが必要である。チームビルディングプログラムが構造化されているのは、ファシリテーターが場数を踏むためにも必要なことなのである。
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