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学校の組織開発物語

~ the Road of the school OD
​用語解説集
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  • 執筆者の写真ミスターK

【解説】「プロセス」と「コンテント」

更新日:2018年10月5日


私たちが他の人と何かをする場合、つまり何らかの相互関係をもつ場合、そこには必ず、「コンテント」(内容)と「プロセス」(関係的過程)が存在する。普通私たちは、どうしても「コンテント」に注目しがちで、「プロセス」には目が向かないことが多い。


例えば会議などで、ある事柄に関するルールを考えようとしている場合、ルールの内容をどんなものにするかということ――つまり、「コンテント」についての討議は華々しくなされるが、その討議にあまり発言しない人がいることなど――つまり、そこに起こっていること(プロセス)に気づき、その状態を変えようとする人は非常に少ないものである。この「プロセス」に気づかずにルールを決定すると、その後の運用の段階で、ルールがあまり守られなかったり、勝手な解釈をする人が出てきたりするなどの結果を生む可能性がある。そして通常の場合、そのような人のことを、ズルイ、やる気が無い、などと非難して終わってしまう。はたしてそれでいいのだろうか。


より充実した組織活動をするためには、どうしてその人たちが発言しなかったのかを考えてみる必要がある。そのことは、ルールを何にするかを討議していた時に何が起こっていたか――つまり、「プロセス」に目を向けることによって明らかになってくるのである。

このことは、一対一の対人関係においても言える。「あなたに会えて嬉しいです」と言葉(コンテント)で言いながら、心の中では、“嫌な人に会ってしまった。上手くやり過ごそう”と思っていること(プロセス)も、私たちの生活の中ではそれほど稀なことではないだろう。


このように、「コンテント」と「プロセス」は車の両輪の如く、人間の行動がそこにある限り、いつもからまり合いながら、深く、相互に関係しながら流れている。そして、多くの場合、「コンテント」は表面に出ていて見やすいが、「プロセス」はその底に隠れていて見えにくいものである。それはあたかも海上に浮かぶ氷山のようだ。海面上にでている部分が「コンテント」であり、海面下にかくれている部分が「プロセス」に例えられる。


いずれにしても、「プロセス」がどうであるか、ということが、「コンテント」が何であるか、ということに大きな影響を与えていることは否定できない事実である。チームあるいは組織の中では、ともすれば活動のエネルギーが「コンテント」にのみ注がれ、「プロセス」には目を向けず、あるいは見失いがちであることが多いものである。それだけに意識的に「プロセス」に目を向ける習慣や感性を身につけることが必要になるわけである。

「プロセス」は隠れていて見えにくいものであるが、よく観ると感じ取ることができる。すなわち「プロセス」を観察するスキルを養うことが肝要である。そうすることにより、よりコンテントを充実させることができると言えるだろう。

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