組織開発とは、「組織の健全さ(health)、効果性(effectiveness)、自己革新力(self-renewing capabilities)を高めるために、組織を理解し、発展させ、変革していく、計画的で協働的な課程である」(warrick,2005,南山大学中村 訳)と定義されている。
また人材開発と対比して、「組織開発とは、人に直接アプローチするのでは無く、人と人の関係性に焦点を当て、その質の変化を促すことで、集団全体の活性化を図り、個々の成長をもたらす方法論である。言い換えると、人や組織・集団に内在するエネルギーや主体性を活用するアプローチであると言える」と言う説明もできる。
それは所謂「教えるー教えられる」学習モデルではなく、組織や集団の構成員が、自分たちで課題を発見し自分たちで解決していく「気づき」の学習モデルであると言えるのではないだろうか。
またチームビルディングとは、組織開発の一手法である。多くの企業やスポーツのチームで組織開発を実践し、「自己の探求」プログラムの開発者でもある北森義明は、「組織が活きるチームビルディング」(2008 東洋経済新報社)の中で、チームビルディングの進んだチームを以下のように表現している。
●チームの内部では、常に円滑なコミュニケーションが行われ、相互信頼感に満ちている。
●リーダーは必要なときに、必要なだけのリーダーシップを発揮している。
●メンバーはそれぞれの持ち味を活かして役割を果たしつつ、チームは課題解決・目標達成をしていく。
●そして解決や達成が成し遂げられると、さらにチーム自身によって次の目標や課題が生み出され、新たな取り組みが始まっていく。
●その繰り返しの過程で、リーダーもメンバーも成長していく。
そしてそのような組織やチームをつくるのに最も大切なこととして、自己理解を深めることの重要性を説いている。
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