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理想の就職を叶えるカギは「企業理解と自己理解」~学生2人の体験談【帝京大学】連載4-2

更新日:2023年10月20日

帝京大学八王子キャンパスでは就職活動に特化したゼミ形式の科目「キャリアデザイン演習」が開講されています。中でも「早期内定獲得者が多い」(キャリアサポートセンター談)といわれているのが樋口ゼミ。ゼミ内のチームビルディングを重視し、先輩が後輩の就職活動をサポートする「ブラザー制度」を導入することで、学生は仲間と協働しながら自己理解を深めています。「納得のいく進路選択ができた」と語る2人の学生に体験談を聞いてみると、先行き不透明な時代に懸命に未来を模索する大学生の就職観、仕事観が見えてきました。


Mさん(写真左上)とAさん(写真右上)


――お二人の就活について、業界研究から内定獲得まで、どういうプロセスで進めていったのか聞かせてもらってもいいでしょうか?Mさんはいかがですか?


Mさん 私は就活を始めた時点では志望業界が決まっていなくて、就職サイトなどでいろんな業界を見たり、業界座談会でいろんな先輩の話を聞いたり、接点のない業界については説明会で話を聞くなどして知識を深めていきました。3年の夏や秋にはインターンにも参加して、そこから案内された早期選考をいくつか受けていきました。自分の行きたい業種・企業は早期選考が解禁されていなかったのですが、場馴れするために、希望業界以外であっても受けてみて、面接の練習にしていました。私は最初、メーカー志望だったのですが、不動産業界の先輩の話を聞いて、ショッピングセンター業界にも興味を持つようになり、どんどん選考を受けていきました。



――内定をもらったのは?


Mさん 1社目は4年生の6月前半。そこは第一志望ではなかったので、その他にも複数受けていきました。最終的には、ブライダル、インテリア小売など6社から内定をもらって、その中から決めました。やってみたいことが多くて、最後まで業界を迷っていましたが、樋口先生に話を聞いてもらったり仲間に相談したりして、大手不動産会社の不動産管理の会社を選びました。2年間一緒に頑張ってきた仲間と就職活動に本気で向き合え、話をじっくり聞いてもらえる環境あったので、納得のいく活動ができてよかったです。



――最終的には不動産業界を選んだようですが、決め手は何でしたか?


Mさん 私はお客様に長く寄り添う仕事をしたいと考えていました。インテリア小売などは暮らしを豊かにするという視点はよいのですが、販売職だとお客様と深い関わり方を作りきれないなと思って。その点、不動産管理であれば、お客様や建物と長くお付き合いしながら資産価値の向上に携わることができるなと思って、最終的に選びました。



――企業理解だけでなく、自己理解を深めたうえで最終決断できたことが、納得のいく就職活動の締めくくりになったということのようですね。Aさんはいかがですか?


Aさん 私も業界・企業未定で、やりたいことを言語化できていない状態から就活を始めました。合同説明会などに行きつつ、ゼミでいろんな先輩に話を聞いて志望を絞っていきました。ただ3年の12月頃から早期選考がはじまるのですが、業界を絞れずその時期を迎えてしまいました。何も志望が決まらず、3月の解禁日を迎えるのは怖かったので、実践だけでも積んでおこうと思って早期選考を受けていきました。12月に初めて内定をいただいて、そこから6月までに6社に内定をいただき、最終的に1社を選びました。私も就活サイトにも登録しましたが、たくさんの企業の情報が手元に集まるのですが、自分一人ではその見分け方がわからないし、自分に適性があるかどうかもわからなくて。ですから、ゼミで就活経験のある先輩に聞いたほうが業界も企業のことも理解しやすくて、自分に向いた業界を見つけやすかったです。



――Aさんが大切にしたかった選択基準は何ですか?


Aさん 私の条件は「転居をともなう転勤はしたくない」。しかも、希望職種は営業でした。でも、就活サイトでは全国転勤のない営業職を見つけるのが難しくて。それを樋口ゼミの先輩に相談したところ、同じような志向で就活をした方がいて、「こういう業界は転勤している人が少ない」など、そういう企業の探し方を教えてもらえたんです。これは、樋口ゼミでいろんな先輩と接するシャッフル班の制度があったおかげだと思っています。

企業の探し方がわかったのが12月頃で、業界や企業を絞れるようになったのが2月頃。12月頃から業界も企業も絞らずにいろんな選考を受けたことで、自分に向く・向かない業界がわかるようになり、実践を通して自分にはどういう業界が向いているのかを知ることができ、最終的に自分のやりたいことも言語化できるようになっていきました。



――最終的にどんな企業を選んだのですか?


Aさん オフィスや店舗の環境整備に関する幅広い商材を扱う小売と商社と流通をやっている会社です。もともと提案営業をしたいと思っていて、保険や不動産といった業界を見ていました。ですが、お客様のどんな課題を解決してあげたいのかを掘り下げていくうちに、移り変わる世の中で環境を変えなければならない時にサポートができる商材を扱うIT業界や商社に目を向けるようになったんです。



――それで、地域に根ざしてお客様のそばで環境整備をサポートする仕事、というストーリーで就活をして、志望通りの内定を得られたということですね。お二人ともゼミの先輩からの情報提供やアドバイスが有効だったようですが、同級生との情報交換は行われていたのでしょうか?


Aさん 自分から話すこともありましたし、夏のサマースクールの時など、どこにインターンに行ったかなど、お互いに言わなければならない機会もありました。人材育成部や3年授業計画部が「インターン情報共有会」といったオンラインでの交流イベントを複数回つくってくれて、情報共有するということも行われていました。常にみんながどんな企業を受けているとか、どんな場所にどんな情報があったかといったことを共有しあっていました。私もそういうのを聞いて、「この企業はインターンですぐに早期選考に入るんだ」「ここのインターンには早期選考へのチケットはないんだ」ということは知ることができました。


Mさん どこを受けているかといったことや、自分より先に早期選考を受けた人にはエントリーシートの内容を教えてもらったりしました。サマースクールの時もみんなの活動の様子を聞いたので、自分はインターン参加が足りないなと思って、秋にもインターンに行くなどしました。同級生にも聞きましたが、私は先輩にも何社くらいインターンに行ったかなど、今の時期は何をしていたかなど尋ねて、足りないことを補うようにしていました。



――樋口先生と一緒にゼミを担当している竹岡先生は「4年の成長が3年の成長につながる」とおっしゃっていましたが、すでに内定獲得したお二人にとっては3年生のフォローが大事なミッションだと思います。後輩をサポートするうえで気をつけていることはありますか?


Aさん 自分が何をしたいかわからない、考えていることを言語化できないという子が多かったので、私はその子の本質を知ろうとすることを大事にしていました。まず相手のことを知ろうとしなければ、自分の主観的な意見になってしまい。その子の人生を左右する選択を、私の一方的な思いを伝えることで迷わせてしまうかもしれない、と思ったからです。その子にぴったりの、最善の選択のためには、その子を知ったうえで選択肢や情報を提供しようと心がけていました。もう一つ心がけていたことは、3年生の頃から業界が決まらないなりに、いろんな業界を見て、いろんな選考を受けることです。それが幅広い業界のアドバイスや情報共有ができることに繋がったと思います。


Mさん 私は自分が3年生の時に「就活の本番はどうなるんだろう」という不安が大きかったので、後輩のそれを解消してあげたくて、ブラザーの子やシャッフル班の面接で一緒になった子に、悩みはないかどうか聞くようにしていいます。面接練習では、同じ業界を受けている3年生に、自分が面接で受けた質問を問いかけて、本選考までに力をつけてもらえるようにしています。私が3年生の時は、授業外でも結構先輩が気にかけてくれたので、オンラインで面接練習につきあっていただいたりしたんです。企業からの面接での質問項目をネットで見つけてきて、先輩に面接官役をしてもらって答える練習をしたり、あえて鋭い、難しい質問をしてもらったりして、本番に備えていたので。

また、3年生が自分では気づけていない適性もあるかもしれないので、4年生の自分の目から見て感じたことを伝えてあげたり、志望業界を聞いたうえでそれ以外の業界も提案してあげたりしています。



――お二人はまもなく卒業ですが、今はゼミでどんな活動をしているのですか?


Aさん 私たちはバーチャルカンパニーを3年生に引く継ぐ段階に入っています。執行部ではよりよいゼミにするために今後の課題ややってほしいことをきちんと言語化して、3年生がわかりやすいようにどう説明すればいいかと話し合って詰めています。最終的にはゼミ全体の課題もまとめないといけないので、各部署とゼミ全体の課題をそれぞれあぶり出している段階です。


Mさん 私が所属している人材育成部では、12月に開催予定のイベントの準備をしています。具体的には、体育館を借りてスポーツ大会を企画しているのですが、このイベントで3年生と4年生がプライベートなことも含めて話しやすい雰囲気をつくって、先輩・後輩のつながりをつくってもらえたらと考えています。話しやすい関係づくりから、これから本格化していく就活に向けて、気軽に先輩に質問、相談できる環境を届けてあげたくて。私自身が、ゼミが終わった後でも先輩と連絡とってサポートしてもらった経験があるので、後輩たちにもそういう体制を用意してあげられたらと思っています。



――Mさんは先輩と親しくなれたことで、個別に面接練習に付き合ってもらうなどのサポートを受けられたとおっしゃっていましたよね。タテの繋がり作りを企画したのも、ご自身のそういう経験に基づくものなんですね。


Mさん そうですね。私が面接練習をしてもらった先輩はブラザー班では関わりがなかったのですが、イベントで繋がりを作れた方だったんです。こういう悩みを持っていると話すと、面接練習に付き合うよ、と言ってくれて。もちろんブラザー班の先輩にも面接練習をサポートしてもらえたのですが、違うブラザー班の先輩も力になってくれて質問できるようになったのがプラスになったので、先輩との接点を増やすイベントもすごく重要だなと実感しました。


※肩書・掲載内容は取材当時(2022年11月)のものです。

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