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チームでの就職活動が叶える早期内定獲得、就職活動のトップランナーの姿とは【帝京大学】連載2-1

更新日:2023年4月18日

帝京大学では2000年代半ば以降、就職氷河期に社会に出る学生のサポートの一環として、就職活動に特化したゼミ形式の科目「キャリアデザイン演習」を開講。ゼミを担当する講師は7名で、それぞれ内容も進め方も異なるため、学生は志望する就職分野・活動内容からゼミを選び、受講しています。その中の1つ、樋口ゼミでは、ゼミ加入時にチームビルディングプログラムを行い、ゼミ内での協働を促す仕組みをつくっています。他者と関わりながら就職活動を行うことが、自己理解や企業理解を深めることにつながり、結果的に早期内定獲得という成果を生んでいるようです。長年、キャリアサポートセンターでさまざまな活動をサポートしてきた大葉勇一さんに、成果をあげるゼミの特徴や学生の様子について話を聞いてみました。


――最初に大葉さんのプロフィールについてお聞かせください。帝京には新卒で入職されたのですか?


大葉さん いえ、民間企業勤務を経て、帝京大学に入職したのは2008年10月です。



――どんなご縁で大学職員に?


大葉さん 前職の人材サービス系企業でキャリアカウンセラーの資格を取得して、求職者のキャリアカウンセリングに対応していた頃、第二新卒の登録者と接点がしばしばあったんです。「こんなに優秀なのにどうして無業者なのだろう」というような人もいて、聞いてみると、大学で特に就職支援を受けることもなく卒業したとか、業界に固執して内定をもらわず卒業してしまったという人も多くて。社会にでる前の最後の砦で学生と接点をもてる業務に携わりたいと思うようになったのが、本学に転職してきた背景です。



――なるほど、まさにキャリアサポートが大学職員になる動機だったわけですね。帝京大学ではどのような部署を経験されたのですか?


大葉さん 2008年に入職して、2020年12月までキャリアサポートセンターにいました。その後、学生サポートセンターという、いわゆる学生課に異動となり、体育会のクラブ・サークル支援や奨学金といった学生支援全般に対応する部署にいたのですが、2022年7月の異動でキャリアサポートセンターに戻ってきました。



――大葉さんがキャリアサポートセンターで、これまで担当された業務と、現在の役割についてお聞かせください。


大葉さん 本学の就職サポートのベースとなる就職ガイダンスを中心に、それから派生する履歴書の書き方やマナーといった各種セミナー等の運営に携わってきました。その他にも企業と学生のマッチングの場としての学内企業セミナーの実施や、インターンシップの促進なども行なっています。本学では授業科目のインターンシップもありますが、キャリアサポートセンターが運営する「アドバンストインターンシップ」という単位認定型の科目では、学生と企業とのマッチングに重点を置いています。その他にも就職率といった各種データの整理や管理分析にまつわる業務も経験してきました。今はグループリーダーという立場でキャリアサポートセンター全体を統括しています。



――弊社と帝京大学さんの最初の接点は、2013年頃、就職支援の一環としてチームビルディングプログラム「自己の探求」を導入していただいたのがきっかけであると聞きいています。大葉さんもキャリアサポートセンターにいらした時期のことだと思いますが、プログラム導入の経緯など覚えておられますか?


大葉さん 3・4年生対象の就職活動に特化したゼミ形式の授業「キャリアデザイン演習」の受講生を対象に行なったチームビルディングプログラムのことですね。当時のキャリアサポートセンターの責任者の方針によるもので、学生全員に2日間かけて実施したこともありました。

そもそも、キャリアデザイン演習の受講生は、本学で就職を意識しはじめた学生のトップランナー的な位置づけだったんです。キャリア教育科目の授業で、選抜された学生をしっかり教育してボトムアップを図ろう。そして、大学のトップランナーとなる人材育成をして、チームビルディングを通じて、組織として・個人として、次なるアクションにつなげてもらおうというのが大きな目的だったと記憶しています。



――少し前のことになりますが、そのチームビルディングプログラムを見学された際に、印象に残っていることはありますか?


大葉さん プログラムのすべてを見ていたわけではありませんが、短期間で学生が自立して、自分の目標やチームの中でやるべきことなどを自覚して、ゼミのメンバーと共有しあっているのを覚えています。クラスの違う学生同士がチームを組み、その場で情報交換や自己開示をして、次なるところに進んでこうとする姿を見て、研修効果を感じました。



――数年前よりキャリアデザイン演習の担当講師を弊社スタッフ・樋口が務めていますが、大葉さんは樋口ゼミに何らかの特徴を感じていますか?


大葉さん キャリアデザイン演習の受講生は、本学で就職を意識しはじめた学生のトップランナー的な位置づけであるという認識のもと、樋口先生が指導をしてくださっていると思います。実際、樋口ゼミの学生は、多くの学生が行きたいと思うような大手企業にもチャレンジして結果を残してくれています。数字でも結果が現れているのが樋口ゼミの特徴だろうと思います。もちろん、働き方や個人の考えが多様化している時代背景もあり、学生自身が納得した進路を実現することを目標においていた時期もあるため、一概に大手企業なら良いということではないとは思っています。そういう大前提を理解してくださったうえで、ゼミを運営してもらっていると感じています。



――他のゼミと比較して、学生の動機づけやアクションにおいて違いはあると思われますか?


大葉さん それぞれのゼミにカラーはありますが、樋口ゼミでは学生がやるべきことをどのタイミングで、何をすべきか、しっかり細かく徹底されていると思います。たまたま先日、あるキャリアアドバイザーと樋口ゼミの話になったのですが、「自己分析を一つとってみても、キャリアアドバイザーのところに持ってきた段階でほぼ完成している。学生一人ひとりが今何をしなければならないのかわかっていて精度も高い」と言っていました。就職活動のトップランナーになってほしいという大学の期待に応えてくれていて、学生がいろんな可能性を模索しながら、しっかり選択しているんでしょう。大手企業にも、成長分野のベンチャー企業にもチャレンジして、内々定をもらった中からどこがいいのか自分で選択できる幅を広げているように見えます。その結果、大手企業や人気企業400社といったカテゴリに挙げられるような企業を選んでいるのかなと思います。個人がやるべきことを徹底できている。だから、キャリアデザイン演習の7つのゼミのでも樋口ゼミの学生は早期の段階での内定率がトップクラスなんでしょうね。



――先日、キャリアサポートセンターの宮田さんにもお話を伺いましたが、「樋口ゼミといえば『チームビルディング』というイメージがある」とおっしゃっていましたが、大葉さんもそういうイメージをもっていますか?


大葉さん ありますね。樋口ゼミの前身は、大手商社出身の2人の実務家教員が担当していたゼミです。その頃の卒業生からの良い伝統とともに、そのゼミを樋口先生が引き継いでおられます。樋口さんに話を聞いたら、「2人の先生にも協力してもらって、代々の卒業生とつながりを持てている」そうです。私もゼミのOB会に参加したことがありますが、代々の卒業生との連携もあるようで素晴らしいなと思っています。



――樋口ゼミでは3年生がゼミに加入したタイミングでチームビルディングプログラムを行っています。就活に取り組む同学年の仲間やゼミの先輩など、いろんな人の視点を参考にしながら、自分の強みを見つけ、自分を活かせる職場を見つけることができる。まさにそれがチームビルディング体験を就活に取り入れるメリットかもしれません。こうしたステップを踏んで就職活動に臨むという流れは、低学年の就職活動への意識づけにも使えるのではないでしょうか?


大葉さん 新入生、低学年生がチームビルディング研修を受けると、周りの人とのコミュニケーション力や発信力を養うことにつながるでしょう。また、そういう体験がより学生間のコミュニティを強化にして、より充実した学生生活を送ることにつながると思うんです。充実した学生生活を送った学生は社会に出てもいきいきしているでしょうし、何より自分が納得できる進路を実現して、笑って卒業できる。ですから、やるなら早期に行い、そのモチベーションを維持できる環境づくりも必要かもしれませんね。


※肩書・掲載内容は取材当時(2022年9月)のものです。


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