top of page
  • odlabo

【大東文化大学】連載1-3/カギは教職協働&情報共有。チーム力で挑む教育改革

更新日:2020年4月28日

2017年の学長就任以来、教職員とチームを組んで教育改革に取り組んでいる大東文化大学。陣頭指揮をとる学長の門脇 廣文先生は積極的に学外の情報を取り入れ、教職員と問題意識を共有することで、教職協働のチームづくりを進めています。2023年の大学創立100周年に向けて、学長としてどのようなリーダーシップを発揮しようと考えているのか。その想いを尋ねてみました。




――大東文化大学は2023年に100周年を迎えますが、それに向けての様々な取り組みが大学活性化の契機になりそうですね。しかし、やりたいことが増える一方で、予算の問題はどのようにクリアされているのですか?


門脇先生 確かにお金の問題はあります。それについては、私が学長になってから2つの対策を行いました。


1つは定員管理をきちんとすること。志願者が増えたことに対応して入学定員をきちんと管理したことで、昨年は一昨年よりも一般補助金が大幅に増えました。


もう1つは補助金の勉強会を始めたことです。これまで補助金のことは総務が対応していたのですが、昨年から私や学務局長、さらに副学長や各部署の長とメンバーを増やして、テーマごとの勉強会を2週間に1回くらいのペースでやっていたんです。すると職員たちも、「こういう補助金があるのでこういう対策や申請が必要なのだ」とわかってくれるようになって。すると各学部長も事務局長を招いて、財政についての勉強会を始めてくれるようになりました。おかげで「執行部が言っているのはこういうことなのか」とだんだんわかってもらえるようになり、学部長たちも非常に協力的になってきたんです。やっぱり情報はみんなで共有しないとだめだなと思いました。


――情報共有によって方針や政策の背景や目的の理解が進み、「何のためにこれをするのか」が腑に落ちて、協力体制が築けるようになった。それが結果的に外部からの獲得資金の増加につながったということですね。


門脇先生 それまで学部長会議で話したことは、そのまま教授会に伝わっていくものだと思っていましたが、そうではなかった。今の大学が置かれている状況とか、他大学の様子を教員に知らせないと動いてくれないので、丁寧に説明しないといけないと考えるようになりました。今は学部長、学科主任、評議委員会への講演会などもFDの一環ということで一般の教員も参加してくれるようになり、情報共有が進んでいます。


これまで学生の方ばかりみていましたが、2019年4月には先生方の研究を支援するための研究支援室も発足させます。これまでは学務が兼務でやっていたため、十分なサポートができていませんでした。それを独立させて、外部資金を獲得するためのサポートや学会の開催支援などを行うことで、先生方の研究意欲を刺激していこうと考えています。


――学長の仕事というのは、「大学の中で旗を振る」のと「大学の外へ出て行って次の仕事の芽を探してくる」ということになるのでしょうか?


門脇先生 そうです。ようやくそれが私の仕事になってきました。もちろん、私だけが外の話を聞いてもしょうがないので、必ず誰かを一緒に連れて行って聞いてもらうようにもしていますが。


――少し組織的な観点でも伺いたいのですが…。組織開発において、組織への働きかけのポイントには①戦略②マネジメント③構造④対人間の4つがあり、相互に関係しあっていると言われます。これは大学の組織や教育においてもあてはまることだと思うんです。その中でも対人間の観点、特にチームビルディングをいかに進めるかが一番の課題ではないでしょうか。





門脇先生 そこは大学の一番弱いところですね。チームビルディングの部分は。例えば学科の中でこういうことをやろうというのは出てきますが、実際の場面になると、それぞれ個人の好きなことしかやっていないことが多い。


――そういう意味でも門脇先生がチームビルディングの概念を持つ 「Daito Education PLUS(大東エデュケーションプラス/以下“DE+”) 」を立ち上げた意味は大きいと思います。チームビルディングは人の心に火をつけますよね。その時のパワーは、こちらが思う以上のことを引き起こすように思います。


門脇先生 例えば私の所属している中国文学科では、自己の探求をうけて学生のチームビルディングが進んだことに影響されたのか、来年の新入生オリエンテーションは自分たちでやりたいと言い出した。非常に面白い動きですね。


また、チームビルディングということで言えば理事会もそうですね。現在、理事会には大学と同窓会から23人の理事がいるのですが、以前は大学と同窓会がうまくコミュニケーションをとれていない部分もあったんです。それで同窓会とうまく連携をとりたいと思って、学長になる前から色々と話し合いを続けてきた結果、今では本当に様々な面で協力してもらえるようになりました。


今は、これまで以上に職員がびっくりするくらい動いてくれているので、教員も負けていられません。教員同士のチームワークも大事です。教員、職員共にお互いの強みを活かしあい、前を向いて走っていくしかありません。誰か一人が先を走りすぎて後ろを見ると誰もいない、ということにならないよう、他の部署の情報を共有しながら、みんなで1つの方向を向いて進めていくしかないなと思っています。



【大東文化大学】他の連載ページへ

#1-12・3  #2-123  #3-123  #4-123



 

 明るい。よく笑われる。オープンでとてもフランク。私の門脇先生のイメージです。今回インタビューをさせて頂いて、その先生の持ち味が、先生が大切にされている「情報共有すること」にも、自然と表われていると感じました。

例えば、先生が学長室を復活させて作られた広報誌「Daito toDay」には、最初は先生のお写真がアイキャッチ的に掲載されていたのですが、第3号からは職員さんのアイデアで、門脇先生の知らぬ間に、先生の似顔絵に変更になっていたそうです。またラグビーの応援などの際に先生の奥さんが学校カラーの「緑のリボン」を、これまた知らぬ間に大量に作ってくださって、それを観客みんなが身に付けるようになったそうです。

 先生の想いと、オープンでフランクなところが周囲に影響し、みんなが自然と色々考えて動くようになっているようでした。『組織が活きるチームビルディング』は北森先生の著書のタイトルですが、門脇先生はまさに「組織が活きるリーダーシップ」を、ご自身の持ち味を活用しながら発揮しておられると感じました。








閲覧数:168回0件のコメント
bottom of page