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【大東文化大学】連載2-2/キャンパスに落ちているアクティブラーニングの種を芽吹かせる

更新日:2020年4月28日


Daito Education PLUS(以下、DE+)の活動をサポートする目的で設置されたのがDE+センター。これは大学内の各事務部署で行われている学生課外活動を取りまとめて、DE+の学生に学びの場を提供する窓口として機能しています。DE+の学生に2018年度入学式や図書館でのビブリオバトルの運営に携わるチャンスを提供し、プロジェクトの成功をサポートする体制をいかに構築しているのか、伺ってみました。





――DE+の活動をサポートする教職員の体制についてお尋ねします。大学内の各事務部署で行われている学生課外活動を取りまとめて、DE+の学生に学びの場を提供する窓口として、Daito Education PLUS Center(以下DE+センター)が設置されています。しかし、これは専属の職員がいる部署ではなく、仮想組織として有志の教職員で運営されているんですよね?


田中先生 そうです。現在、運営メンバーは僕を含む7人。月1回定例ミーティングをして、新プロジェクトをどうするかについて立場の上下に関係なくフラットに話し合い、DE+を動かしています。スポーツ関連のイベントなど、若い先生の勉強になるようなことは、必要に応じて手伝ってもらうことはありますが、基本的にDE+センターのメンバーで教員は僕だけです。


どの大学でも教員と事務職員はまったく別の存在で、それぞれの立場を互いに活かし合いながら何かを作り上げるようなことはあまり見受けられません。僕はそれがいやなんです。教職協働では、職員と教員がそれぞれの立場を尊重しあって、はじめて良いものが生まれるんじゃないかという意識があるので。それぞれ与えられている立場は違いますが、議論する時はフラットにいきましょう、と。このDE+センターのメンバーは、お互いに言いたいことを言いあえる良い関係はできていると思います。


――DE+センター内のメンバーの関係性は良好のようですが、運営体制はいかがですか?


田中先生 実状は、もう手いっぱいです。専任の事務職員を置いて欲しいとお願いはしているんですが、他の部署でも人手不足ということで・・・ですが、この取り組みは、学長が掲げる概念を具現化しているものだと自信を持っています。だからこそ、予算と人材を割り振ってほしいという思いはあります。


――確かに、運営メンバーにはそれぞれ本来の業務があるので、負担が大きいだろうとは想像できます。DE+の立ち上げ時のロードマップ(下図)によれば、徐々に教職員の介入度は下がり、学生の主体度が高まっていく見込みなんですよね。このロードマップの意図を教えてください。


田中先生 最初は教職員が頑張るフェーズ。例えば、何かのイベントを行う際に、プログラムを考えたり司会の原稿をつくったりという必要な手順は僕たちが見本を見せて、学生に何回か経験を積んでもらって、だんだんと学生主体に移行していくイメージです。最近はプロジェクトのミーティングのために学生を集めると、自分たちでホワイトボードを用意して、話し合いを進めるようになったので、僕たち教員は見ているだけになりました。概ねロードマップ通りに進んでいて、今はフェーズ2の「成長期」に入ってきたところです。




――DE+は段階的に成長のステップを上り、学生の主体度が高まるように設定されたプログラムになっているんですね。


田中先生 成長のポイントの一つは、DE+の参加条件でもある、リーダーシップ研修で「自己の探求」のプログラムを体験することにあると思います。プログラムでは、あるテーマに基づいてみんなの意見を出し合ってまとめることを経験します。学生にとっては、何かができる「能力」を身につけるよりも、そういうプロセスを踏んだという「経験」のほうが大事。経験を積むことで、自信を持って社会に踏み出せ、別の何かに取り組む時にもつながっていくと思うんです。


――「答えを知っている」よりも「答えをだすプロセス」を経験していることのほうが、社会に出るときの自信になるということですね。「社会に飛躍する大東人」という視点に田中先生がこだわる理由が理解できます。


田中先生 大学にはアウトカムベースの学科とそうでない学科があります。例えばスポーツ・健康科学部には3学科ありますが、健康科学科は臨床検査技師、看護学科は看護師と、4年間を通じてなるべき姿が明らかになっているアウトカムベースの学科です。しかし、スポーツ科学科には資格取得などで明確に設定されている目標がなく、学生が100人いたら、目指す姿は100人とも違います。でも、僕は彼らにも社会に出たらすぐに役に立つ“手に職”をつけておくことが必要だと思っています。カリキュラムで習得できるスポーツ科学領域の専門性と、それらを活かせる活動ができる人にならないといけない。社会に出る前に、研究室の中でなくて、もっと外に出てそういう活動を経験させないといけないのに、現状ではそこが薄いと思うのです。


――これからは、社会にふれるためのきっかけの一つとしてDE+の活用を進めていくことになるんでしょうか。


田中先生 社会にふれるためのきっかけを提供したい、というのがDE+の最初のコンセプト。例えば、学内の事務部署で学生を業務に携わらせるようなことができてもいいんじゃないかと思っています。職員には難しいと言われますが、資料整理のアルバイトをさせてみるなどの方法もあるんじゃないかと。学長がいつも言っている「学生が主体的に動いて、学生がつくる大学」というようなことが広がっていけばいいと思います。



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