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【大東文化大学】連載3-1/学生の力を信じて、待つ。気づきを促すことが教職員の役割

更新日:2020年4月28日


2017年、「社会で活躍する大東人の育成」をめざして、学科の授業や学習に加えて(PLUSして)、学生に学びの場を提供する『Daito Education PLUS(以下、DE+)』をスタートさせた大東文化大学。教職員、学生を巻き込みながら、人と人の関係性が変わる取り組みは、学内に少しずつ変化の兆しをもたらしています。これまでの連載では、DE+を学長、教員の立場から紹介してきましたが、今回は職員の視点でのお話を、総合企画室総合企画課 課長の植付あゆりさんにお聞きしました。





――はじめに、大東文化大学で植付さんがこれまでどんなお仕事をされてきたのか聞かせて頂いても宜しいですか?

植付さん 大東文化学園に入職して、図書館におりまして、それから教学といいますか、本学は教務系が学部ごとの事務室になっているんですけれども、外国語学部の事務室に配属が変わりまして、そこが長くて、10年くらいでしょうか。その後、文学部事務室を経て、2014年4月から今の総合企画室総合企画課です。経営企画や大学自己点検評価などの業務に携わっています。

――(現学長の)門脇先生とは文学部事務室時代に知り合われたのですか?

植付さん 文学部のときに、当時学部長でいらっしゃった門脇先生と一緒にお仕事させていただきました。



――植付さんからご覧になった門脇先生はどんな方なのでしょうか?

植付さん 先生のゼミは、ゼミ活動が活発で、大学院生も一体になって結束力があって、職員から見ると厳しくも楽しそうなゼミだなと感じていました。また、初年次の基礎科目や必修科目の授業では、出席の悪い学生、成績不振の学生は、教員と職員が連携してその学生に個別に連絡をとって状況を確認するんですが、先生は学生のことをよく見ていらっしゃって、ちょっと来なくなると「こういう状況だけど」、とすぐに連絡をくださって。きっとその中で救われた学生もたくさんいるんじゃないかと思います。

一方で学科主任や学部長もされていたので、学部・学科や大学運営の中心にいらっしゃる先生という印象でした。

――2016年、DE+ の前身となる『アクティブ・ラーニングを加速するリーダーシッププログラム』が全学プロジェクトの一環として走り出した時から、植付さんはこの取り組みにタッチしていたんでしょうか?

植付さん 『アクティブ・ラーニングを加速するリーダーシッププログラム』は東松山キャンパスで実施されたので、その頃は直接運営には関わっていませんでした。ですが、全学プロジェクトの予算管理を担当していたので、スタッフと連絡を取り合ってはいました。

――全学プロジェクトのスタッフメンバーはどのようにして決まったのですか?

植付さん 学内で公募したんです。当時のプロジェクト担当教員と、学生リーダー育成プログラム部会の募集に手を挙げた事務スタッフの5名で、「T-GRIP(ティーグリップ)」というプロジェクトチームで活動していました。

――全学プロジェクトのメンバーを学内で公募ですか? 珍しいですね。そういうケースって大東文化大学ではよくあるんですか?

植付さん 職員から募る、ということはこれまでになかったと思います。

――しかも、これは「異動」ではなく、「自分の仕事をしながらプロジェクトに携わる」というものなんですよね。

植付さん そうです。各自が通常業務を抱えながら、プロジェクトに携わるという仕組みです。

――『アクティブ・ラーニングを加速するリーダーシッププログラム』として始まったプログラムは、2017年に『大東文化を元気にする学生リーダー育成プログラム』へと名前を変えて引き継がれました。そこからは植付さんも運営にも参画されているんですよね?

植付さん はい。事務スタッフは募集しなおして、7名が集まりました。うち2人は1年目から参加していた職員です。新たに教務や学生支援の部署のスタッフも入ってくれました。

――全員、純粋に志願して参加してくれたメンバーですか?それとも、裏で根回ししたようなところもあったんですか?

植付さん ちょっとしました。「手を挙げてくれるかな」と思っていた人が、最初に募集した時に手を挙げてもらえなかったので(笑)。やりたくても部署での業務を抱えながら取り組むことになるので、ご本人からは言い出しにくいのかもしれないと思い、上司に相談して声をかけてもらったり、学生と関わる部署の職員に頼んだりはしました。

――このプロジェクトが2年目に入る時に植付さんが気にしていたことはありますか?

植付さん 実は2016年のリーダーシッププログラムで『自己の探求』を実施した後、「何か学生にフォローアップのプログラムを用意しないといけない」と、当時のプロジェクト担当教員とも話していたんです。でも、それができないうちに時間が経って、学生のモチベーションが下がってしまったという反省がありました。そこで、2017年9月に実施した学生リーダー育成プログラムは、フォローアップのプログラムとセットで立ち上げたんです。それがDE+。プログラムを受けた学生の中からメンバーを募って組織的にプロジェクトを走らせることになりました。

――現プロジェクトリーダーの田中先生には、学生たちが参加できるプロジェクトを用意するため、各部局に学生を活用してやりたいことはないかヒアリングをした、と伺いました。

植付さん はい。学生が関わっている学内のイベントなどについて、いくつかの部署にヒアリングしました。給与(アルバイトとして)の有無や活動場所をどうしているのかといったことです。その他は大学WEBサイトのニュースや年間行事を見て関連部署にちょこちょこと尋ねて、その中からプロジェクトになりそうなものをスタッフで検討して、プロジェクトとしてDE+の学生に案内しました。

――具体的には、どんなプロジェクトをDE+の学生に提示できたのでしょうか?

植付さん スポーツ系イベントと、図書館のビブリオバトル、新入生歓迎のフレンドシップウォーク、それから入学式ですね。リーダープログラムの後で説明会をして、学生に参加したいプロジェクトの希望を聞きましたが、複数のプロジェクトに希望を出してくる子もいました。

スポーツ関連のことは田中先生経由でお話をいただいて、2017年12月にオリンピック・パラリンピックのキックオフイベントを行いました。

ビブリオバトルは学内でも初めての取り組みで、図書館のほうから「こういうのをやろうと思っているんだけど」という話をもらって、DE+で募集してみましょう、という流れになったものです。

フレンドシップウォークは学生支援センターが関わっている全学的な恒例行事で、毎年5月に新入生対象に開催しているウォークイベントです。これにもDE+の学生が携わるようになりました。

――入学式に携わることになったのはどういう経緯からですか?

植付さん 実は入学式は2017年度までは学内の体育館で開催していたんです。保護者を入れると参列者が5000人ほどになり、一度に全員は収容できないので午前・午後の二部構成で実施していました。それを門脇先生が学長になられてから「もう少しショー的な要素を取り入れたい」というご要望を出され、2018年度はさいたまスーパーアリーナでやることになりました。

従来の入学式でも、学生の混成合唱団が校歌を歌ったり応援団が演舞をしたりというのはありましたが、学生主体の大学行事という性質のものではありませんでした。ですが、会場も変わるし、学長のご発案でもあるので、入学式を大きく変えてみましょうということになり、DE+で携わるプロジェクトの1つになったというのが経緯です。もともと式典全体のことは学事担当の部署が担当しているので、そことのやりとりは総合企画課も間に入りながら、学生に関わってもらいました。





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